遺品整理を通じて感じる、両親の歩んだ人生とその温もり

両親が他界してからしばらく経ちましたが、母の三回忌の法要を無事に終えたのを機に、改めて遺品の整理を始めることにしました。
母は本当に物を捨てることが苦手な人で、両親が過ごしていた部屋やクローゼットには、多くの品々がそのままの形で残されていました。
それらには両親との思い出がぎっしり詰まっているように感じられ、慎重に少しずつ整理を進めることにしました。

整理する品々の中には、衣類や家電製品、寝具、家具、日用品など、生活に欠かせなかったものが多く含まれていました。
これらは両親の暮らしを支え、日々の生活に彩りを添えていたものばかりです。私はこれらの品々をただ廃棄するのではなく、できる限りリユースやリサイクルを心掛けることにしました。自治体の一般回収や粗大ごみ回収、そしてリサイクル店舗を利用しました。

整理を進める中で、両親が歩んできた年月を改めて感じる瞬間が何度もありました。
勤め人時代の資料や年賀状、手紙、治療の記録、様々な会員証など、それら一つひとつが両親の人生を物語っていました。
特に、母が結婚のために大阪に異動した際、職場の方々から贈られた寄せ書きは、母が職場でどれほど愛され、頑張っていたのかを物語るものでした。
そのメッセージの一つひとつに目を通すたび、感慨深い思いが込み上げてきました。

さらに、私自身だけでなく、妻や娘に関わる品々が丁寧に保管されており、両親の深い愛情を改めて感じることができました。

また驚いたのは、砂糖や食品用ラップ、使い捨てカイロ、マスク、タオルといった日用品が大量に蓄えられていたことです。母なりに「家族が困ることがないように」という思いで備蓄していたのでしょう。その心遣いに感謝の気持ちが湧きました。

整理した品をリサイクル店舗に持ち込むことで、エコポイントの付与やCO2削減量がアプリ上で可視化されました。社会に貢献できる形で両親の遺品を未来につなぐことができるのだと思うと、両親もきっと喜んでくれているのではないかと感じています。

また、粗大ごみを回収してくださる業者の方々に対しては、できる限り感謝の言葉を伝えるようにしています。本当にありがたい存在です。

遺品整理はまだまだ続きますが、最後まで両親への敬意を忘れずに、そして彼らへの感謝の気持ちを胸に、一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいと思います。
この過程そのものが、両親の生きた証を受け継ぎ、未来へとつなぐ重要な営みであるように感じています。